請求書の電子化にタイムスタンプは必要?
経理が知っておくべき基礎を解説

監修:須栗一浩(税理士)2020年8月18日

請求書を電子化、ペーパーレス化することは、ビジネスの効率化やコストの削減を図るうえで大事な取り組みです。しかし、電子化を有効な形で実現するためには、電子データの保存要件を満たす必要があります。

この記事では、請求書の電子化を検討している方に向け、タイムスタンプの基礎知識について解説します。

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そもそも、タイムスタンプとは?

タイムスタンプとは、「電子データがいつから存在し、その内容を保っているのか」を証明するシステムのことです。

電子ファイルは、作成したそのままの状態では、いつ誰が作成したのかがはっきりしないという問題があります。電子ファイルの信憑性や信頼性を維持するためには、その電子ファイルがいつから存在し、内容が保持されていることをきちんと証明する必要があります。電子ファイルの「存在時刻」と「非改ざん性」を証明し、真実性を裏付けるための技術がタイムスタンプです。

存在時刻とは、その電子ファイルがいつから存在しているのかを示す時刻であり、非改ざん性とは、その時刻から現在までずっと内容が変更されていないことをいいます。

タイムスタンプは、日本では電子請求書の他、電子契約書や医療現場で用いる電子カルテ、国税関連のデータなどに用いられています。

タイムスタンプの仕組み

タイムスタンプが付与されるまでの流れは、要求、発行、検証という3つの過程から成り立っています。

要求

要求というのは、利用者が生成した原本データのハッシュ値を、時刻認証局(TSA:タイムスタンプを発行する第三者機関)に送付する過程のことです。

ハッシュ値とは電子データにおける指紋のようなもので、元のデータをハッシュ関数を使って変換し、暗号化された文字の列のことを言います。例えば、「私は太郎です。」という文字列を、SHA-1というハッシュ関数で変換すると、
「72048a684f18d39b0b40
eaf61819d20ac39c216d 」
というハッシュ値が生成されます。

元データ ハッシュ関数(SHA-1)で変換 ハッシュ値
私は太郎です。 72048a684f18d39b0b40
eaf61819d20ac39c216d

発行

発行とは、時刻認証局が、利用者が送ったハッシュ値と時刻情報を組み合わせて、偽造できない形のタイムスタンプを作成し、利用者へ送付する過程のことです。

時刻認証局に送られる時点で、原本データはハッシュ関数を使って暗号化されたハッシュ値の形になっているので、利用者は、電子データの内容を時刻認証局に知られずにタイムスタンプを取得することができます。

検証

検証とは、原本データから生成したハッシュ値と、タイムスタンプに含まれているハッシュ値とを比較する過程です。

ハッシュ値は、原本データをわずかに変化させただけでも必ず変化します。同じタイムスタンプが複数存在することはありません。

元データ ハッシュ関数(SHA-1)で変換 ハッシュ値
私は太郎です。 72048a684f18d39b0b40
eaf61819d20ac39c216d
私は太です。 2dd26864fa59e4d1c30e
6ea954cc26063c38d003

つまり、原本データから生成したハッシュ値と、タイムスタンプに含まれているハッシュ値が一致していれば、タイムスタンプに含まれる時刻以降は、内容が変更されていないということになります。

タイムスタンプそのものの信頼性は、時刻認証局がデジタル署名を付与する、等の方法で担保されています。

請求書にタイムスタンプが必要なケース

請求書や領収書などの帳票を電子化するにあたり、タイムスタンプはどのような場面で必要になるのでしょうか?電子請求書にタイムスタンプの付与が必要になるケースについて、発行側、受取側それぞれの観点から解説します。

請求書の発行側

自社で発行する請求書にタイムスタンプが必要かどうかは、顧問税理士等に確認してみることをおすすめします。
WEB帳票発行システム「楽楽明細」では、帳票発行状況をヒアリングの上、帳票発行の電子化に向けた提案を受けられます。導入も簡単なので、ぜひ検討ください。

請求書の受取側

受取側が、紙で受け取った請求書をスキャンして電子保管する場合には、電子帳簿保存法の要件を満たすためにタイムスタンプ付与が欠かせません。

受け取った請求書を電子保管したい場合は、経費精算システム「楽楽精算」がおすすめです。「楽楽精算」は電子帳簿保存法に対応しており、受け取った請求書のスキャンデータをアップロードすると、自動的にタイムスタンプが付与されます。

タイムスタンプを上手に活用しよう!

請求書の電子化におけるタイムスタンプの必要性は、ケースによって異なります。まずは税理士や、請求書電子発行サービスを提供する会社に相談しましょう。

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