監修者:山本 邦人(税理士)
紙の請求書の手入力は、時間のかかる業務です。紙の請求書のデータ入力を効率化できれば、経理担当者の負担は大幅に軽減できます。この記事では、紙の請求書のデータ化を効率化・自動化する方法について解説します。
経理担当が行う請求書関連の作業は、実に多岐にわたります。代表的なものでは、会計ソフトへの入力作業があげられます。そのほか、振込データの作成や納品書と請求書の照合、消込作業など多数。一言で「請求書関連」といっても実際の業務内容は細かく分かれています。
中でも、紙の請求書をデータ入力する作業は、処理に時間も手間もかかるだけでなく転記ミスなどの心配も多いです。経理担当者の業務負担を軽減するには、紙の請求書をデータ入力する工程を効率化することが重要です。
ここでは、紙の請求書データ入力を効率化する方法について解説します。
請求書入力アウトソーシングを利用すると、経理担当の負担・業務時間を削減できます。経理業務のすべてではなく、まずは請求書入力などのシンプルな作業だけを委託するのがおすすめです。会社によっては、請求書の入力作業以外も請け負っています。
経理アウトソーシングのメリットは、経理担当者の負担軽減や業務の効率化だけではありません。たとえば業務の波を均一化できるという点があげられます。経理業務は、月末月初など締め日前後が繁忙期・それ以外は閑散期という波が生じるものです。時期による波が大きい作業だけでもアウトソーシングすれば、繁忙期の残業を回避できます。
OCRを導入すると、請求書をスキャンしてPDF化した画像データを自動でテキストデータに変換できます。これにより、手入力するよりもはるかに作業時間を短縮できます。また、どうしても起こってしまう転記ミスを防げるので、何重にも及ぶチェック業務を簡略化できます。ただし、かすれた文字などは認識できないケースもあるので、目視確認も忘れずに行いましょう。コントラストを強調する・小さい文字は拡大するなどの工夫をすると、OCRの識字率が高まります。
また、請求書のすべてをOCRにかける必要はありません。イレギュラーな請求書は従来どおり手入力することで、OCRの識字ミスによるストレスを軽減できます。たとえば折れ曲がっているものやカーボン複写のものは認識できないことが多いです。そういった請求書は初めから手入力にすると決めると、識字ミスによる再入力の手間を省けます。
ちなみに、経費精算システム「楽楽精算」を使えば、支払依頼機能と電子帳簿保存オプションにより支払業務の効率化が可能です。支払依頼機能とは、部署ごとに請求書情報を入力してもらう機能です。基本的なワークフローは、各部署が請求書情報を入力、上長が承認、経理担当者へ支払依頼が届くという流れです。
その請求データを元に経理担当者が「楽楽精算」上で振込データ(FBデータ)を作成し、一連の経費精算業務が完結します。各担当部署で回収・確認されてから経理担当者に届くので、請求書の内容がわからないまま経理担当者が入力するという事態を回避できます。なお、自社の運用に合わせたワークフローの変更も可能です。
「楽楽精算」では、申請されたデータを元に振込データ(FBデータ)を作ります。振込データを作ったあとは、振込みや引落しのために銀行まで足を運ぶ必要はありません。すべてネット上で完結できます。経理担当者の大幅な負担削減はもちろん、時間短縮によって自社全体のコスト削減にも繋がります。
電子帳簿保存法が制定された1998年当時は、ルールの厳しさなどから帳票類の電子保存導入を見送った企業も多くありました。しかし2016年・2018年の改正で規制緩和が進んだことなどから、帳票類の電子保存に踏み切る企業が増えています。電子帳簿保存法では、帳票を電子化するためには「真実性の確保」と「可視性の確保」が必須と規定されています。つまり、そのデータが本物だと確認できることと、誰でもすぐに検索・閲覧できる状態を保つことが必要ということです。
「楽楽精算」は、電子帳簿保存法に対応したシステムです。タイムスタンプ機能で、電子帳簿保存法における「真実性の確保」を行います。タイムスタンプ機能を使うと、タイムスタンプ付与時点でデータが存在していたことと、それ以降編集・改ざんされていないことを証明できます。
また、検索機能は領収書・請求書をすぐに検索できて利便性が高いというだけではありません。電子帳簿保存法の「可視性の確保」を行う役割を果たしています。電子帳簿保存法では「可視性の確保」に関して、具体的に「日付又は金額の範囲指定により検索できること」など検索時の条件が細かく定められています。「楽楽精算」は、そのような適用要件ももちろんクリア。安心して業務に取り組めます。
請求書入力業務を効率化すると、経理担当者の負担が減ることはもちろん、生産性のある業務に取り組めるので会社全体の業績アップにもつながります。請求書入力を効率化するには、経理アウトソーシングやOCRを活用することがポイントです。それぞれに特徴があるので、自社の状況に照らし合わせて、よりマッチしているものを選びましょう。
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