請求書は企業間の取引を証明する重要な証憑書類です。ところが、日常業務ではさまざまな事情で、「請求書を紛失してしまった」「請求書を再発行してほしい」と取引先から問い合わせが入ることがあります。こうした場合、請求書を再発行しても問題ないのでしょうか。また、再発行の手続きはどのように行えばよいのでしょうか。
そこで今回は、請求書の再発行を求められた場合の対応方法について詳しくご紹介します。要望へ臨機応変に対応できるよう、知識を身につけておきましょう。
初めに、取引先から「請求書を紛失した」と言われた場合の再発行の方法を解説します。以下のポイントと手順を確認の上、適切に対応しましょう。
取引先が請求書を紛失したことが原因で、書類の再発行を求められた場合、発行側は基本的に対応する必要があります。その理由は、請求書を紛失したままの状態で放置すると、受領側が請求書の保存義務を怠ったとみなされるおそれがあるためです。
また請求書を再発行する際は、事実と異なる内容を記載したり、同じ内容の請求書が複数枚存在したりしないよう注意してください。万が一、誤った内容での請求や二重請求が発生すると、会社の信用問題にも発展しかねません。故意に不当な請求を行うと詐欺罪にあたるため、発行側・受領側ともに請求書の再発行は慎重に判断する必要があります。
請求書を再発行する場合は、対応する請求書の番号を明確にするとともに、再発行を行った旨を明らかにする配慮が不可欠です。
まずは相手先の企業名や氏名、再発行を希望する案件名、金額、内容などを確認しましょう。本当に自社では発行した請求書なのかどうかも、請求書の控えなどを見ながら確認します。
一企業に対して取引案件数が多い場合には、再発行が必要なのはどの案件の請求書であるか、正確に照らし合わせなければなりません。そのためにも、日頃から請求書は番号で振り分けて管理しておくとよいでしょう。
再発行する請求書を作成します。そもそも再発行とは、前回作成した請求書の控えをそのまま印刷して捺印することではありません。
請求書を再発行する際は、「再発行」と記載された新たな請求書を作成してください。そのままの状態で請求書を発行すると、同じ内容の請求書を2件発行したことになり、二重請求とみなされるおそれがあるため注意しましょう。「再発行」の文字は一目でわかるように、赤文字で目立つ箇所に記載したり、市販のスタンプを押したりするのがおすすめです。
再発行した請求書を郵送する場合は、案内状を同封するケースが通例です。案内状を作成する際は、以下の文例を参考にしてください。
【案内状の例文】
○年○月○日
○○○企業
○○○○様
平素より大変お世話になっております。
先日お問い合わせ頂いた、「ご請求書の再発行」の件についてご連絡致します。
この度、同封させていただきましたご請求書は「再発行」となります。もし紛失された請求書が後日お手元に見つかった場合は、お手数をおかけいたしますが、新しい請求書と差し替えて、旧請求書は破棄いただきますようお願い申し上げます。
また、先日もご案内いたしました通り、お支払期限日までのご入金を何卒よろしくお願い申し上げます。
△△△△株式会社
担当:△△△
△△県△△市△△町△△
TEL △△-△△△-△△△△
FAX △△-△△△-△△△△
E-MAIL △△@△△.jp
挨拶文では、請求書の紛失に際して請求書を再発行する旨を伝えます。また、もしも再発行の原因となった請求書が手元に戻ったら、書類の差し替えを行った上で、破棄をお願いする一文を盛り込みましょう。たとえ相手先の不手際で紛失が発生したとしても、発行者は丁重に対応することが大切です。
続いて、請求書の記載内容に変更や誤りがあった場合の再発行の方法について解説します。ケース1と対応方法が異なるだけでなく、誤りに気づいたタイミングによっても対応方法に違いがあるので、注意しておきましょう。
請求書の送付後に請求金額や消費税などの誤りが発見されたら、早急に相手先へ連絡を入れます。取引先が誤請求に気づかないまま入金処理をしてしまうと、対応に多くの手間がかかってしまうので、迅速に連絡することが大切です。また、今後は同様のミスを繰り返さないように、業務フローを見直す必要があります。二重チェックの徹底などの対策を講じましょう。
同封する案内状は、以下の文例を参考に作成してください。
【挨拶文の例文】
○年○月○日
○○○企業
○○○○様
平素より大変お世話になっております。
早速ではございますが、先日お送りさせて頂いた請求書No.○○-○○○の内容に一部誤りがあったことをお詫び申し上げます。つきましては、一部内容を訂正させて頂きました請求書を再発行させて頂きます。
同封させていただきましたご請求書は「再発行」となります。お手数をおかけして誠に申し訳ございませんが、既にお手元にございます請求書と差し替えていただき、旧請求書は破棄していただきますようお願い申し上げます。
また、恐縮ではございますが、先日もご案内いたしました通り、お支払期限日までのご入金を何卒よろしくお願い申し上げます。
△△△△株式会社
担当:△△△
△△県△△市△△町△△
TEL △△-△△△-△△△△
FAX △△-△△△-△△△△
E-MAIL △△@△△.jp
請求書の送付後、取引先から請求書の誤りを指摘されたら、まずは状況確認を行いましょう。手元にある請求書の控えに記載ミスがないか確認し、場合によっては資料を参照しながら、指摘を受けた情報の正確性をチェックします。具体的には「金額を変更して複数回の見積もりを行っていないか」「値引きや追加注文の履歴はないか」などを調べていきます。また、請求業務のミスが重なると会社の信用問題に発展しかねないため、再発防止の対策を講じることが重要です。
基本的にはケース2と同様の手順での対応が必要です。
同封する案内状は、以下の文例を参考に作成してください。
【案内状の例文】
○年○月○日
○○○企業
○○○○様
平素より大変お世話になっております。
早速ではございますが、先日お問い合わせ頂きました請求書No.○○-○○○の内容に一部誤りがあったことをお詫び申し上げます。つきましては、ご指摘をいただきました内容を訂正し、請求書を再発行させて頂きます。
同封させていただきましたご請求書は「再発行」となります。お手数をおかけして誠に申し訳ございませんが、既にお手元にございます請求書と差し替えていただき、旧請求書は破棄していただきますようお願い申し上げます。
また、恐縮ではございますが、先日もご案内いたしました通り、お支払期限日までのご入金を何卒よろしくお願い申し上げます。
△△△△株式会社
担当:△△△
△△県△△市△△町△△
TEL △△-△△△-△△△△
FAX △△-△△△-△△△△
E-MAIL △△@△△.jp
請求書は取引を証明する重要な証憑書類に該当するため、ささいなミスであっても再発行するのが望ましいでしょう。二重線で訂正すると、意図的な改ざんを疑われる可能性があるので、避けたほうが無難です。その際、記載ミスが生じた請求書は、二重請求などのトラブルを防ぐためにも、シュレッダーなどを利用して適切に破棄してください。
請求書の再発行に関してよくある疑問とその回答をご紹介します。バックオフィス業務で請求書の取り扱いに迷ったときは、ぜひ参考にしてみてください。
紛失による再発行の場合、請求書に記載する発行日は初回に発行した日付のままで発行するのが通例です。その際は、必ず「再発行」の文字を目立つように記載し、二重請求でないことを示しましょう。
記載内容に変更があった場合も、請求書に記載する発行日は初回に発行した日付のままで発行するのが通例となります。こちらのケースでも同様に、「再発行」の文字を必ず目立つように記載して、二重請求でないことを示してください。
相手先が請求書を紛失した結果、支払期日が間近となってしまったり、あるいは支払期日をすでに経過してしまったりしたら、新たに支払期限を設ける必要があります。このようなケースでは、再発行する請求書と同封する挨拶状にて、支払期限を延長する旨を伝えてください。その際、延長期限は2週間~1カ月程度に設定するのが一般的です。
今回は、請求書の再発行について詳しくご紹介しました。請求書を再発行する場合、二重請求とならないように「再発行」と記載し、かつ初回に発行した請求書の破棄をお願いする必要があります。特に、自社のミスで送付後に請求書の誤りに気づくケースでは、取引先の振込前に速やかに連絡し、即座に再発行に対応しなければなりません。
こうした緊急時にスピーディーに確認から発行まで対応するには、電子請求書発行システムを導入するとよいでしょう。
電子請求書発行システムなら、使いやすさと手厚いサポートが特長の「楽楽明細」がおすすめです。
「楽楽明細」は請求データをアップロードするだけで、取引先に合わせて「WEBからダウンロード」「メール添付」「郵送代行」「FAX」のいずれかの方法で自動送付できます。
面倒な「印刷・三つ折り・封入・発送」の手間や手作業によるミスを削減できる点が魅力です。また、即時発行が可能になるため、再発行が必要な場面でもスムーズに対応することができます。
また、「楽楽明細」はシンプルで見やすい画面・操作性となっており、導入前後のサポート体制も充実しているため、システム導入に不安がある方にもおすすめです。
「楽楽明細」の料金プランや機能について詳しく知りたい方は、以下のページからどうぞお気軽にお問い合わせください。
【無料】3分でわかる!電子請求書発行システム「楽楽明細」資料請求はこちら>>>
「楽楽明細」のコラムでは請求書や領収書、支払明細書などの各種帳票の発行方法や、経理業務を効率化する方法などについてご紹介します!
※ 月の発行件数500件の場合の月間の導入効果(ラクス調べ)
「楽楽明細」の姉妹製品・関連サービスのご紹介です。
バックオフィス業務のあらゆるお悩みを解決できるシステム・サービスをご用意しています。
おかげ様でラクスグループのサービスは、のべ83,000社以上のご契約をいただいています(※2024年3月末現在)。「楽楽明細」は、株式会社ラクスの登録商標です。
本WEBサイト内において、アクセス状況などの統計情報を取得する目的、広告効果測定の目的で、当社もしくは第三者によるクッキーを使用することがあります。なお、お客様が個人情報を入力しない限り、お客様ご自身を識別することはできず、匿名性は維持されます。また、お客様がクッキーの活用を望まれない場合は、ご使用のWEBブラウザでクッキーの受け入れを拒否する設定をすることが可能です。