監修者:須栗 一浩(税理士)
請求書発行の業務フローについて、不明確な点はありませんか?
今回は、企業での一般的な請求書発行の業務フローを解説します。請求書発行業務を効率化する方法も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
請求書発行業務は通常、請求方法の決定に始まり、支払いサイトの確認と請求書の作成、それが完了したら請求書の送付というフローで行われます。
以下から、個別に詳しく解説します。
請求方法には、月末などあらかじめ決めたタイミングでまとめる「締め請求」と、取引が発生する度に請求する「都度請求」の2パターンあります。
自社のルールに沿って請求を行うケースが多いですが、取引先の都合で先方から請求方法等のリクエストを受けることもあります。
「締め請求」と「都度請求」では具体的にどのような違いがあるのか、詳しく説明していきます。
「締め請求(掛売り方式)」とは、前述したようにあらかじめ締め日を決めておき、そこまでに発生した取引をまとめて請求する方法です。例えば、月末を締め日に設定している場合は、月初めから月末までに発生したすべての取引をまとめて請求します。20日が締め日であれば、前月の21日〜当月の20日までの取引が対象です。
この方法はその月で何度取引があっても締め日にまとめて請求するため請求書作成の手間を省けます。
「都度請求」とは、取引が発生する度に請求する方法です。締め請求とは違って、取引を集計して請求書を作成する作業がいらないので、例えば取引が少ない顧客を多数抱えているような企業には便利です。
取引内容や業種によりますが、あらかじめ入金期限を決めて請求書を発行するケースが多いです。
支払いサイトというのは、締め日から実際に支払いがされるまでの期間のことです。
例えば、末締めの翌月末払いという場合は、月末で締めて請求書を発行し、実際の支払いは翌月の末日となります。つまり、請求書を発行してから30日間後の支払いとなるため、この場合は30日サイトとなります。
支払サイトの取り決めは、企業にとって重要なことです。支払いサイトを取り決める際、注意しておきたいのが金融機関の営業日です。支払い日が土日等に当たった場合の支払いが翌営業日にずれるのか、または前倒しになるのかで会社の資金繰りに影響が出ます。
ちなみに、取引が下請法に該当する場合、親事業者は下請事業者に対して、物品等を受領した日から60日以内に全額を支払う義務があります。
下請代金支払遅延等防止法
第二条の二 下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、親事業者が下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日。次項において同じ。)から起算して、六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。
引用元:下請代金支払遅延等防止法|電子政府の総合窓口e-Gov(外部サイト)
下請代金の支払遅延の禁止(第4条第1項第2号)
親事業者は物品等を受領した日(役務提供委託の場合は,役務が提供された日)から起算して60日以内に定めた支払期日までに下請代金を全額支払わないと下請法違反となります。
引用元:親事業者の禁止行為|公正取引委員会(外部サイト)
支払いサイトを確認できたら、請求書を作成します。社内で利用している販売管理システムなどの伝票情報をもとに、請求書を作成します。
詳しい作成方法については、請求書の書き方マニュアルをご覧ください。
請求書の送付方法は、郵便もしくは電子発行の2パターンです。
紙の請求書を送付する場合、請求書は信書に該当するため郵便で送らなければなりません。請求書の他、納品書・領収書・見積書なども信書に該当します。
最近では、郵送コストや発行の手間を削減するために、請求書発行を電子化する企業も増えています。電子発行の場合は発着のタイムラグがないので、受け取り側もスピーディーに事務処理を進められます。
取引数が増えると、請求書発行業務の手間も増えます。しかし、経理の仕事は請求書発行だけではありません。売掛金の入金確認や経費精算など、多岐にわたります。
経理の仕事を効率化するためには、請求書発行などの単純業務を効率化する必要があります。請求書発行業務の効率化を図る方法として、請求書代行会社に外注する方法や、WEB請求書発行システムを導入する方法などがあります。以下、2つの特徴について解説していきます。
WEB請求書発行システムを活用すると、販売管理システムや自社開発システムから出力した請求データ(CSV/PDF形式等)を取り込むだけで、発行業務を自動化できます。
また、請求書を電子化すれば、郵送コストと発行の手間を大幅に削減できます。郵送にも対応したWEB請求書発行システムを導入すれば、「基本は電子発行で、特定の取引先には封筒で郵送する」等、イレギュラー案件に対応できるものもあるので、思ったほど導入ハードルは高くありません。
請求書代行会社に外注する一番のメリットは、請求データを渡すだけで、請求書の発行から送付までの一連の作業を丸投げできる点です。
ただ、請求書代行会社に外注することで手間は削減できますが、外注費はかかるのでその分コストがかかります。
まとめ経理担当者にとって、請求書の発行業務は負担の大きい業務です。
これを機に、請求書発行の業務フローを見直して、効率化できる点がないか検討してみてください。
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