この記事では「収入印紙について基本的なところから知りたい」という方に向けて、そもそも収入印紙とは何か、どんな場面でどのように使うのか、どこで買うことができるのかといった事項を基礎から丁寧に解説します。
最近、ニュース番組などで取り上げられることの多い「軽減税率」という言葉。その意味を知らなくても、なんとなく耳にした覚えがある人は少なくないでしょう。軽減税率とは2019年10月1日から実施される消費税率の引き上げに伴い、適応される制度の1つです。そこで今回は、軽減税率について詳しく解説します。
まずは、消費税の基礎知識をおさらいしましょう。消費税の導入以前は、商品やサービスの金額のみを支払うことで購入することが通例でした。しかし1989年3月に初めて日本に消費税が導入され、商品やサービスを購入する“消費”に対し、広く公平に税金が課せられるようになったのです。商品やサービスを販売する事業者が消費者から消費税を徴収し、事業者が消費税の納税を行う仕組みが導入されてから30年余りの間、改正が繰り返されています。
1989年3月に消費税が導入以降、下記の通りに改正され消費税率が引き上げられています。
1989年4月1日 消費税率3%導入
1997年4月1日 消費税率3%から5%に増税
2014年4月1日 消費税率5%から8%に増税
2019年10月1日 消費税率8%から10%に増税、軽減税率制度導入
20××年 ×月 消費税率一律10%に改正 or 軽減税率制度維持
2019年10月1日に実施される消費税率10%と同時に導入される軽減税率制度。しかし、この制度は限定的に設けられ、その期限は現在のところ定められていません。そのため、軽減税率制度が今後どのようになるのかが論点となります。
軽減税率は税率10%になるにあたり、低所得税者への負担を軽減するための処置として設けられます。生活する上で必要となる商品を税率8%に据え置きし、それ以外の商品を税率10%にすることで低所得者に対して配慮した制度です。消費税率が10%と8%との2つの税率が存在することから、軽減税率は複数税率とも呼ばれています。
また、消費税には国税と地方税が含まれており、2019年10月1日に適応される税率である標準税率と軽減税率それぞれの内訳にも国税と地方税が含まれます。なお、地方消費税額は消費税額の22/78です。
適応年月日 | 国税率 | 地方消費税率 | 消費税 |
1989年4月1日~1997年3月31日 | 3% | 0% | 3% |
1997年4月1日~2014年3月31日 | 4% | 1% | 5% |
2014年4月1日~2019年9月30日 | 6.3% | 1.7% | 8% |
2019年10月1日~ | 標準税率 7.8% 軽減税率 6.24% |
標準税率 2.2% 軽減税率 1.76% |
標準税率 10% 軽減税率 8% |
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軽減税率が導入されるにあたり、消費税額を8%と10%に振り分ける為のシステムが必要です。生活に欠かせない商品と、そうでないと区別された商品を一緒に販売する中小企業や小規模事業者に対し、軽減税率対策として補助金が支給されます。
今回初めて導入する軽減税率に対応したレジや券売機などの会計システムを導入、または改修には資金が必要となります。その資金の一部を補助することで導入をスムーズに行えるように支援する制度が、税率対策補助金です。原則として費用の3/4を補助で賄うことができ、条件を満たせば最大レジ1台あたり20万までの補助金を受け取ることができ、一事業あたり200万円まで補助金を受け取ることが可能です。
軽減税率対策補助金を申請するには、大きく分けて3つの申請類型に分類されます。
軽減税率対象となる商品を普段から取り扱い、軽減税率執行後も継続的にそれら商品の取り扱いの予定がある事業者が、軽減税率対応レジまたは販売機等を導入・改修する必要がある場合に申請対象となる制度です。
電子的受発注システムを使用して普段から軽減税率対象となる商品を普段から取り扱い、軽減税率執行後も継続的にそれら商品の取り扱いの予定がある事業者が、軽減税率対応の受発注システムの改修・入替を行う場合に対象となります。
普段から軽減税率対象となる商品を普段から取り扱い、軽減税率執行後も継続的にそれら商品の取り扱いの予定がある事業者が、軽減税率に対応した請求書をスムーズに発行出来るよう請求管理システムの導入・改修を行う事業者が対象となります。
A型は、以下6種類に分類されます。
【A-1型】 レジ・導入型 | 【A-2型】レジ改修 | 【A-3型】モバイルPOS |
新しくレジを導入する場合に補助を受ける。 | 既存の非対応レジを改修する場合に補助を受ける。 | 軽減税率対応レジとしてタブレットやPC、スマートフォンを活用し、レシートプリンタ等の付属品を組み合わせレジとして導入する場合に補助を受ける。 |
【A-4型】POSレジシステム | 【A-5型】券売機 | 【A-6型】商品マスタ設定 |
POSレジシステムを軽減税率に対応するよう改修・導入する場合に補助を受ける。 | 券売機を区分記載請求書等保存方式に対応するように、改修・導入する場合に補助を受ける。 | 軽減税率対応レジに商品マスタを設定する場合に補助を受ける。 |
※POSとは「Point of Sale System(販売時点情報管理)」の略であり、商品の売上実績を単品単位で集計するシステムを指します。
B型の場合は、既にEDI・EOSの電子的受注発注システムを利用している場合に限り、以下の補助を受けることが可能です。
【B-1型】受発注システム 指定事業者改修 | 【B-2型】受発注システム 自己導入型 |
指定事業者に改修を依頼する場合に補助を受ける。 ※現在申請の受付は行われていません。 |
自らパッケージ製品・サービスを購入し、導入・改修を行う場合に補助を受ける。 ※事前に事務局に登録されたパッケージ製品・サービスに限る |
※EDIとは「Electronic Data Interchange(企業間電子データ交換)」の略です。
※EOSとは「Electronic Ordering System(企業間のオンライン受発注システム)」の略です。
C型の場合は、指定事業者に依頼するか自己導入するか、専用機器の改修・導入するに分かれます。
【C-1型】指定事業者に依頼型 | 【C-2型】自己導入型 | 【C-3型】機器の改修・導入 |
指定事業者である、システムベンダーなどに発注し、請求書管理システムを改修、導入する場合に補助を受ける。 | 委託などを行わず、自己で請求書管理システムを導入、改修、入替を行う場合に補助を受ける。 | ハードウェアと一体化している請求書管理システムや事務機器を導入、改修する場合に補助を受ける。 |
2016年3月29日~2019年9月30日までに導入・改修し、支払手続きが完了している場合に軽減税率対策補助金の支援を受けられる対象となります。また、A-5型、A-5型、C型にいては2019年1月1日~2019年9月30日までに導入・改修が行われ、支払手続きが完了している場合に限り支援対象となるため注意が必要です。
現在の消費税法では「請求書等保存方式」が採用され、帳簿や取引相手が発行した請求書を証憑書類として保存し、仕入税額控除を受けることができます。
これまで消費税率が単一の場合には、請求書に消費税率の記載がなくても仕入税額の計算に問題はありませんでした。しかし、軽減税率が導入される以降は複数税率となり、税率の区別が必要となります。そのため、2019年10月1日~2023年9月30日までの期間は「区分記載請求書等保存方式」が採用され、「軽減税率の対象品目」と「税率ごとに合計した対価の額及び、適用税率」の2点を記載することが定められました。
インボイスは、2019年10月1日から実施される軽減税率に伴い必要とされる制度です。インボイスが実施される前日の2023年9月30日までは、前述の通り「区分記載請求書等保存方式」が採用されます。2023年10月1日以降はインボイス(適格請求書等保存方式)が採用され、区分記載請求書等保存方式にプラスして、「適格請求書発行事業者の登録番号」と「税率ごとに合計した消費税額」を記載しなければなりません。
適格請求書発行事業の登録は2021年10月1日から申請の受付が開始され、各自申請手続きが必要となります。
~2019年9月30日まで
2019年10月1日~2023年9月30日
①軽減税率の対象品目がわかるように記載
②税率ごとに合計した対価の額及び、適用税率
2023年10月1日~
①軽減税率の対象品目がわかるように記載
②税率ごとに合計した対価の額及び、適用税率
③税率ごとに合計した消費税額
④適格請求書発行事業者の登録番号
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軽減税率対象となる品目、対象とされない品目の一部をご紹介しましょう。
8% : 軽減税率 | |
---|---|
飲食料品 | 精米、パン類、野菜、精肉、魚類 |
飲料水(ミネラルウオーター) | |
食用氷 | |
甘酒、みりん風調味料(アルコール1%未満) | |
飲食料品の譲渡 | ファストフード等のテイクアウト、出前、宅配、出店、屋台、コンビニ弁当、惣菜 |
学校給食、老親ホームや施設で提供される食事(1日1920円以内) | |
ホテル、旅館の室内に設けられている冷蔵庫の飲料 | |
果物狩りで購入した果物の持ち帰り | |
新聞の譲渡 | 週2回以上発行されている新聞の定期購買 |
10%:標準税率 | |
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飲食料品に対象とされない | 家畜動物、観賞用魚類 |
水道水 | |
ドライアイス、保冷用氷 | |
ビール、日本酒、ワイン等の酒類やみりん、料理酒 | |
飲食料品の譲渡に対象とされない | レストラン、出張料理、フードコートやイートインコーナーでの飲食 |
社員食堂、学生食堂での飲食 | |
ホテル、旅館のルームサービスを利用した飲食 | |
果物狩りをしてその場で食べる場合 | |
新聞の譲渡に対象とされない | 電子新聞、コンビニ販売新聞 |
中でも、飲食料品の譲渡に関しては定義が細かく分類されているため注意が必要です。例えばテイクアウトと店内飲食が可能な牛丼屋やファストフード店では、「テイクアウトをするか」「店内で飲食をするか」でその税率が異なります。また、コンビニにおいて店内にイートインコーナーが設けられている場合であっても、テイクアウト商品として販売されている商品を購入する場合には軽減税率が適応されるのです。
2019年10月1日から適応される軽減税率。事業を行う上で購入あるいは販売する商品が軽減税率対象か対象外かを確認し、事業者側は軽減税率の知識を深めて対応しましょう。
なお、「楽楽明細」では消費税増税に伴って複雑となった請求作業の負担を軽減すべく、請求書の発行・発送サービスをご用意しております。「楽楽明細」のご利用をお考えの際には、お気軽にご相談ください。
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