2019年10月から消費税が増税!増税の背景からその影響まで徹底解説!

2019年10月15日

消費税増税の理由

2019年10月1日に消費税が10%へ引き上げられました。今から約30年前の1989年4月1日、日本で初めて消費税が導入され、その後幾度となく増税は繰り返されてきた消費税ですが、なぜ増税が必要なのか。その理由を紐解いて行きましょう。

社会保障の財源を確保

消費税は国が必要とする財源であり、年金や医療、教育、さらには国の借金等の不足分を補うために徴収される税金です。超高齢社会に突入した日本では65歳以上の人口の割合が全体の28.1%を占め(2018年総務省統計局調べ)、税金を納める主な対象となる現役世代の減少が社会保障の財源確保に大きく影響を与えています。少子高齢化が進む日本では更なる財源の確保が必要となるため、消費税を租税することで不足分の財源を補っているのです。

なぜ消費税が増額対象となったの?

それでは、なぜ増額の対象が消費税なのでしょうか。消費税の他に、所得税や法人税などといった国税を増額することも可能ではあります。しかしそれらを増額した場合、超高齢社会へとなった日本では現役世代である人口の59.7%2018年 総務省統計局調べ)の人々に負担が集中することも懸念材料となるでしょう。そのため、広く公平に税金が徴収できる消費税を増税することが適切であると判断され、消費税率が8%から10%へと改正されます。

消費税で確保できる金額

生活を送るうえで、商品を購入する消費活動は多くの人にとってライフラインです。その消費に対して租税された消費税は、景気や情勢に影響されることなく毎年10兆円もの金額を徴収することができ、日本の財源確保の大きな役割を担っています。消費税を増税することなく据え置きのままでいると、毎年4.4兆円の税収減になるとも報告されています。そのため、財政難である日本において、消費税増税は必要不可欠であることが見受けられます。

出典:総務省統計局>>>

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消費税増税の歴史

今から約30年前の1989年4月1日に日本で初めて消費税が導入され、当初は消費税率3%でした。しかし、下記の通りに消費税は増税しています。消費税の歴史と共に、当時の首相と政治情勢を合わせてご紹介しましょう。

消費税率 年月 首相 消費税の導入と増税の歴史
導入前
1979年1月 大平正芳 財政を建て直すために、消費税の導入が閣議決定しましたが、野党からの反対意見が絶えず、導入を撤回するも、同年10月に行われた総選挙で議席数を減らしてしまいます。
1987年2月 中曽根康弘 売上税法案を国会に提出するも、野党や国民からの反対を受け、同年5月に廃案となる。
1988年12月 竹下登 消費税法が成立される。
消費税3%
1989年4月 竹下登 日本で初めて消費税3%が導入される。
1994年2月 細川護煕 消費税の廃止を行い、国民福祉税として7%徴収する構想を発表するも、翌日には発表を撤回しました。
1994年11月 村山富市 消費税3%から4%に増税し、更に地方税1%を加える税制改革関連法が成立しました。
消費税5%
1997年4月 橋本龍太郎 消費税3%から5%に増税
2009年9月 鳩山由紀夫 消費税増税が危ぶまれていましたが、「消費税率は4年間増税しない」ことをマニフェストに掲げた民主党が選挙で勝利し、政権交代となりました。
2010年6月 菅直人 消費税10%に増税することをマニフェストに加え、選挙に挑むが惨敗に終わる。
2012年6月 野田佳彦 2014年に消費税率を8%、2015年に10%に引き上げする法案を提出。
2012年8月 参院本会議で可決・成立し、2014年に8%、2015年に10%に引き上げられることが決まりました。
消費税8%
2014年4月 阿部晋三 消費税5%から8%に増税
2014年11月 2015年10月に消費税が10%へと引き上げられる予定を、2017年4月に延期し、1年6ヶ月の猶予期間が設けられました。
2016年6月 2017年4月に延期されていた税率10%への引き上げを、2019年10月に更に延長することが決定する。
消費税10%
2019年10月 阿部晋三 消費税8%から10%に増税し、同時に日本で初めて軽減税率を導入。

1979年に初めて消費税導入が決議決定されましたが、国民や野党の反対を受け撤回や廃案を経て、木下政権であった1988年12月24日に消費税法が初めて日本で成立しました。法案成立から4か月後の1989年4月1日には消費税3%が導入。導入までの期間には幾度となく議論が交わされていましたが、法案成立から僅か4ヶ月という異例の速さで消費税が導入され、消費税増税せざるを得ない状況であったことが見受けられます。

今回増税される消費税10%に至るまでには、3回にも及ぶ消費税の増税が繰り返されました。8%から10%に至るまでにも、「消費の低迷」「景気の足踏み状態」である理由から、当初2015年に10%に増税する予定だった期間を2017年4月までに延長し、更には2017年4月から2019年10月1日までに延長しています。

また、10%消費税を導入すると同時に日本で初めて軽減税率が導入されます。8%と10%の2つの消費税率が存在することになり、複数税率に対応するためにレジや会計システムなどの改修・導入が求められる中小企業も多く存在する状況です。このことからも、国は中小企業に対して補助金の交付を決め、軽減税率の導入がスムーズに行えるようにサポートを行っています。

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消費税増税にある経過措置

前述でもご紹介した軽減税率は、消費税税率に対応するために設けられた制度です。消費税10%に改正されると同時に導入され、飲食料品と定期購買の新聞に適応され、それらに限り税率8%と据え置きとなります。

なぜ軽減税率が必要なの?

軽減税率は低所得者の負担を和らげる為に設けられた制度です。日本の税金制度は収入に応じてその額面は異なり、収入が多ければ多いほど納める税金額は多くなり、低所得者は反対に少なくなっていく仕組みとなっています。その一方で、消費税は広く公平に徴収する税金であるため、低所得者であっても配慮されることはありません。10%消費税が導入されると、1,000円の買い物に対する税金として100円が徴収されます。

そこで今回、期限つきで消費税増税の経過措置として軽減税率が採用され、生活するにあたり最低限必要と判断された飲食料品や定期購買の新聞が税率8%据え置きとなりました。

経過措置

経過措置とは消費税が10%に改正するにあたり、移行をスムーズに行えるように設けられた措置です。2014年に5%から8%に増税された際にも採用され、今回の増税でも適応され各自定められた期間のものに対しては8%据え置きとなります。以下は経過措置が適応される一覧です。

旅客運賃等

10%消費税に引き上げられる実施日以降の日付の電車や航空機の切符やチケット、映画、演劇のチケット、競馬、競輪、美術館、遊園地等の入場料のうち、2014年4月1日から実施日前日の2019年9月30日までの間に支払いが完了しているもの。

光熱費等

実施日前日の2019年9月30日以前から、継続して供給している電気、ガス、水道、電話、灯油の使用料金で、実施日である2019年10月1日から10月31日までの間に、料金の支払いが確定する場合。

請負工事等

2013年10月1日から2019年9月31日までの間に締結された工事(製造含む)の請負契約(測量、設計及びソフトウェアの開発に係る請負契約を含む)に基づき、2019年10月1日以降に引き渡しが行われる場合。

資産の貸付

2013年10月1日から2019年3月31日までの間に締結した、資産の貸付けに係る契約に基づき、実施日である2019年10月1日以前から同日以降も引き続き貸付けを行っている場合(一定の条件あり)における、2019年10月1日以降に行われる当該資産の貸付け。

予約販売に係る書籍等

2019年3月31日までに締結した不特定多数の者に対する定期継続供給契約に基づき、譲渡する書籍等の支払いを完了している場合で、尚且つ譲渡が2019年10月1日以降の場合。

特定新聞

不特定多数の人々に定期的に発行される新聞であり、発売日が2019年10月1日以前であるもののうち、その譲渡が2019年10月1日以降に行われる場合。

通信販売

2019年3月31日までに、販売価格や条件を提示し(または提示する準備が完了している場合)、申し込みを受け、2019年10月1日以降に商品の販売をする場合。(軽減対象資産の譲渡等を除く)

特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル)

2019年9月30日までに顧客から買取りの支払いが完了しているものに限り(小売業者の場合も含む。)、2019年10月1日以降に再商品化する場合。

その他にも、有料老人ホームや指定役務などが適応されます。経過措置に関する詳細は下記URLにて、各自ご参照下さい。

出典:国税局「消費税率等に関する経過措置」より一部抜粋>>>

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消費税増税の影響

消費税が10%に増税するにあたり、どのような影響があるのでしょうか。2014年4月に消費税率が5%から8%に増税された経緯を踏まえてご紹介しましょう。

税収が安定する

消費税は経済状況に左右されず毎年10兆円の安定した税収が見込まれており、少子高齢化が進む日本において大きな税収となります。

働く意欲を阻害しない

所得税は収入が増えれば増えるほどに納める額面が増えていきます。しかし、消費税は広く公平に徴収されるため、働く意欲を阻害しません。

脱税されにくい

消費税は商品を購入する消費に対して租税されるため、脱税しにくいと考えられています。

景気が悪化する

消費税が10%に増税するにあたり、消費者の購買意欲が減少することで経済が回らなくなり、景気が悪化することが懸念されています。

中小企業の負担が大きくなる

消費税10%の導入は中小企業への影響が大きく、事業を維持することが困難になり倒産や失業者が増えるリスクも伴います。

駆け込み需要の反動

消費税10%が導入される前に商品を購入しようとする消費者が一時的に増えます。その一方、消費税10%導入後にはその反動で商品の購入が控えられる傾向があるため、景気の落ち込みが懸念されています。

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海外の消費税

海外では消費税を「付加価値税」と呼ばれていることが多く、海外で消費税が適応されている数は152ヵ国に上ります。ほとんどの国で国税として消費税が設けられていますが、アメリカでは「小売り売上税」として自治体が徴収を行っています。

日本は消費税10%となりますが、主要国の消費税率(付加価値税)は以下の通りです。(30年度調べ)

国名 消費税率
ハンガリー 27%
クロアチア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー 25%
アイスランド、フィンランド、ギリシャ 24%
アイルランド、ポーランド、ポルトガル 23%
ウルグアイ、イタリア 22%
オランダ、スペイン、ベルギー 21%
フランス、イギリス、ウクライナ、モナコ 20%
ドイツ、コロンビア、チリ 19%
ロシア 18%
中国、ブラジル、ペルー 17%
ケニア、パキスタン 16%
スリランカ 15%
南アフリカ 14%
ネパール、エジプト 13%
フィリピン 12%
韓国、モンゴル、カンボジア、オーストラリア、日本※1 10%
タイ、シンガポール 7%
マレーシア 6%
台湾(営業税※2)、カナダ 5%

※)日本は2019年10月1日に8%から10%に税率が改正されるため、10%に記載。
※)台湾では営業税と位置付けられています。

出典:全国間税会総連合会「世界の消費税(付加価値税)152カ国(ポスター図柄)実施国と税率平成30年4月版」より一部抜粋>>>

上記の表を見る限り、日本の消費税率10%は格段に高い額面である訳ではありません。もっとも税率が高いハンガリーの27%に比べると、その差は歴然でしょう。また、スウェーデンなどの北欧諸国は税率が高く国民の負担が大きいものの、医療や教育、福祉において手厚いサポートが受けられることでも知られています。一方、財政難とされるハンガリーやギリシャでは税率を高く設定せざるを得ない国も存在し、各国でその背景は異なっているのです。

以上、今回は消費税増税対策についてご紹介して参りました。消費税増額に向けて知識を深め、対応しましょう。

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