【完全版】電子帳簿保存法とは?電子データで保存できる帳簿種類とその手続きについて詳しく解説。

監修:須栗一浩(税理士) 2020年6月1日

電子帳簿保存法は、国税関係帳簿である総勘定元帳や仕訳帳、現金出納帳などを電子データとして保存する法として1998年7月に施行されました。

後に電子データの利便性や、関連設備の進化などからスキャナ保存、スマートフォン、デジタルカメラなどで保存された電子データも認められるようになり、電子データ保存を導入する企業も徐々に増えてきています。そこで今回は、電子帳簿保存法について、詳しくご紹介します。

電子帳簿保存法制定の経緯

電子帳簿保存法の歴史は20年以上

電子帳簿保存法には20年以上の歴史があり、コンピューターや電子保存機器の実用化や時代の流れに伴い数回の改正を経て現在に至ります。まずは、その経緯や歴史を把握しましょう。

電子帳簿保存法制定の歴史
1998年 電子帳簿保存法施行 パソコン作成の決算書電子データのみ認められる
2005年 e-文書法施行 複合機などによるスキャナ電子保存が認められる
2015年 平成27年度税制改正 金額に準ずる区別や、電子署名などの要件を廃止
適正事務処理要件の追加
2016年 平成28年度税制改正 スマートフォン・デジタルカメラ撮影のデータ保存が認められる
2018年 平成30年度税制改正
(令和2年から適応用)
大法人(資本金1億円超)の電子申告義務化
所得税の確定申告、年末調整手続きの電子化

電子帳簿保存法とは?

1998年に電子帳簿保存法が施行され、総勘定帳、仕訳帳、現金出納帳などの国税関係書類に限定されますが、パソコンで作成された電子データの保存が法的に認められるようになりました。しかし電子帳簿保存法では紙媒体か電子データかのどちらかしか認められず、紙媒体をスキャンして保存する方法は認められていませんでした。

e-文書法とは?

2005年、更なるインターネット環境の普及、関連設備の進化により、e-文書法が施行されます。e-文書法では紙媒体をスキャンすることが認められ、この制度は「スキャナ保存制度」として活用されるようになりました。そして棚卸表、損益計算書、貸借対照表など決算時に必要となる国税関係書類の電子データ保存することも認められるようになっています。

紙媒体の保存によるデメリットに、保管場所の確保や管理が挙げられます。しかしスキャン・データ保存が認められるようになり、それらデメリットをカバーすることができるようになりました。

スキャナ保存法の緩和

2015年には複合機などによるスキャナ保存が認められる対象書類が見直され、以前までスキャナ保存対象外だった「3万円未満の領収書・契約書」も認められるようになりました。

しかしこの改正では、残された課題が少なくありません。例えばタクシーや新幹線などで利用した交通費に対する領収書をスキャナ保存するためには、受領から3日以内にスキャナ保存する規定があります。そのため、1度オフィスに戻り第三者によるスキャンでなければ電子保存は認められず、こうしたことからも電子データ保存を導入する企業の数が伸びたデータはありませんでした。

そこで更に改正されたのが、2016年です。領収書を受け取った本人がその場でスマートフォンやデジタルカメラで撮影した電子データの保存が認められるようになり、2年連続で行われたスキャナ保存法の緩和により、多くの企業がスキャナ保存を導入するようになりました。

電子化の流れ

更に電子化へ移行する流れは止まらず、平成30年度税制改正(令和2年から適応用)では大法人(資本金1億円超)の電子申告義務化、所得税の確定申告、年末調整手続きの電子化がはじまりました。

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電子帳簿保存法の対象書類

国税関係書類
帳簿 総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、仕訳帳、売上帳、買掛金元帳固定資産台帳、総費帳 等
決算書 貸借対照表、損益計算書、棚卸表などの決算関係書類等
証憑書類 領収書、レシート、請求書、見積書、納品書、契約書、注文書 等

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電子帳簿保存法の注意点

電子帳保存法はとても利便性の高い制度ですが、以下の注意点に気を付けましょう。

画像解析度

電子保存を行う場合には、基準となる画像解析度があります。25.4mm当たり200dpi以上、または200dpi相当以上、256階調(24bpp)と定められ、更にスキャナ保存の場合にはスキャン機器ごとにその解析度は異なります。

【ハンドスキャナ・複合機】
200dpi以上、フルカラースキャン、PDFファイル保存
【スマートフォン・デジタルカメラ】
388万画素

電子データ保存できない書類もある

すべての書類が電子データ保存に該当する訳ではなく、下記の場合は適用しません。

【手書きで作成した書類】
仕訳帳、総勘定元帳等の帳簿書類や、手書きの請求書

【取引先から受け取った請求書】
請求書は国税関係書類の中でも重要書類となり、基本的には原本保存が定められています。しかし、以下記載の要件を満たした場合のみ、受取った請求書の電子データ保存が認められます。

受取った紙媒体の請求書を電子データとして保存する方法の要件は下記の通りとなります。

▼要件1…税務署長の許可を取得
紙媒体で保存している請求書を電子化するためには、変更予定の3ケ月前に管轄の税務署長に申請が必要となります。

▼要件2…請求書の真実性を確保
「改ざんされていない」証明として「タイムスタンプ」が必要となります。

▼要件3…請求書の可視性を確保
内容がしっかりと読み取れない保存状態の紙媒体の請求書は電子データ化することは認められません。

また下記の場合は、電子データ保存が認められています。

【電子データ(PDFファイル)で発行された請求書を受け取った場合】
そのままデータ保存が可能

上記の場合はそのまま電子データとして保管するか、印刷して紙媒体で保管するか選択可能です。紙媒体で保管している企業であれば、印刷して保管することが認められています。しかし、国税庁のHPに「保存する方法を混在させてはいけない」とあるため、電子データとして受け取った請求書を一度印刷するか、そのまま電子データで保存するかを選択しなければなりません。

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電子データで保存する際の手続き

電子データ保存を導入する場合には、下記の手続きや設備が必要となります。

▼要件を満たしたスキャナの用意(200dpi上の画素数、2424bpp以上の階調)
▼承認申請書(帳簿用と書類用)
▼添付書類(システム概要、操作説明書、電子計算処理に関する事務手続きの概要 等)

詳しくは国税庁ホームページをご参照ください。

出典:国税庁ホームページ「電子帳簿保存法関係」

スキャナ保存との違い

電子データ保存は、殆どの文書が認められるようになりました。しかし、スキャナ保存を行う場合には、認められない文書もありますので把握しておきましょう。電子データ保存とスキャナ保存の違いは下記の通りです。

国税関係書類 区分 電子データ保存 スキャナ保存
帳簿 総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、仕訳帳、総費帳、売上帳、固定資産台帳 ×
原本保存
決算書 貸借対照表、損益計算書、棚卸表 ×
原本保存
証憑書類 契約書、領収書の写し 発行
受領
領収書、レシート、請求書、見積書、納品書、契約書、注文書など 発行
受領

以上、今回は電子帳簿保存法について詳しくご紹介しました。「楽楽明細」では、今回ご紹介した電子データとして活用されているPDFファイルの帳票書類を発行するサポートを行っており、更に電子化して行く現代社会に沿ったサービスをご提供しています。ご利用をお考えの際には、お気軽にご相談下さい。

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