昨今のDX推進の流れの中で、帳簿や伝票の電子化を検討している方も多いと思います。とはいえ電子化にあたっては、「どのような法律が関係するのか?」「帳票を電子化するメリットやデメリットは何か?」という疑問がつきものです。
本記事では、こうした疑問を解決するため、帳票を電子化するメリット・デメリットや電子化するために知っておくべき法律、そして電子化を効率的に進めるためのツール選びのポイントについて詳しく解説します。
帳票とは、企業や個人事業主が事業を営むにあたって作成された「帳簿」や「伝票」を指す会計用語です。「帳簿」の代表例は総勘定元帳、「伝票」の代表例は請求書や納品書です。帳票は日々行われる様々な取引を記録し、取引が実際にあったことを証拠として示す役割を持ちます。
帳票についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
関連記事:「帳票とは?請求書・納品書など、いまさら聞けない帳票の種類と役割を解説!」
昨今DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目される中、各企業において在庫管理や人事・労務業務などのデジタル化が進んでいます。そして、こうしたデジタル化の流れは経理部門にも及んでいます。
経理部門におけるデジタル化としては、請求書や領収書など帳票発行業務の電子化があげられます。
請求書などの帳票の発行業務において、従来は紙で印刷し、郵送で発行するのが一般的でした。しかし、コロナ禍に端を発したオフィス縮小の動きや、政府の働き方改革によるテレワーク推進に伴い、在宅でも対応できるよう帳票の発行業務を電子化する企業が増えています。
多くの企業が帳票の発行業務を電子化している理由は、紙の帳票には次のような課題があるためです。
こうした紙の帳票の課題は、電子化によって解消することができます。帳票を電子化すれば自宅でも確認できるためわざわざオフィスへ出向く必要がなくなります。また、紙ベースでの運用と違って印刷・保管のコストもかからず、紛失や摩耗のリスクも極小化することができます。
さらに、電子帳簿保存法が改正されて、帳票類の電子保存要件が緩和されたことも帳票類の電子化を後押ししています。国税庁も「電子帳簿等保存制度を利用することで、経理の電子化による生産性向上やテレワークの推進等が可能です」と帳票電子化のメリットをPRしており、官民共に帳票電子化への気運が高まっています。
出典:国税庁「国税庁の取組紹介 デジタル化の取組」
帳票を電子化するメリットは次の点です。
以下、それぞれについて詳しく解説します。
たとえば請求書や領収書を取引先へ郵送で送る場合、請求書の印刷、封筒への宛名書きと封入、発送(ポストへの投函)といった作業が必要ですが、電子で請求書や領収書を発行すれば、印刷・封入・発送の手間が削減できます。そのため、空いた時間でその他の業務に余裕を持って取り組むことができるようになったり、より付加価値の高い業務に時間を割いたりすることができるようになります。
請求書や領収書を紙で送る場合は、紙の印刷代や切手代が必要でした。しかし、電子で請求書や領収書を発行すれば、印刷代や切手代が不要になるだけでなく、紙の領収書では必要だった印紙代も不要となるためコスト削減につながります。
帳票を紙で保管する場合は保管スペースが必要ですし、必要な書類を多くの紙書類の中から探すのは大変です。
電子データであれば保管スペースは不要となり、検索ができるようになるため、過去のデータも探しやすくなります。そのため、紙保管の場合にありがちな「ファイリングされた過去の書類を片っ端から確認する」という作業から解放され、管理・保管の手間を大幅に削減できます。さらに、電子データの場合は紙と違って、汚れたり摩擦でこすれて読みにくくなったりすることもありません。
テレワークが当たり前になった時代においても、在宅で請求書や領収書、納品書などの印刷・封入・発送作業を行うことは難しいため、紙の帳票を使っている企業の経理担当者はオフィスへの出社が必要です。しかし電子化によって帳票のペーパーレス化を実現することができれば、「印刷・封入・発送」といった作業が不要になります。そのため、在宅勤務でも帳票発行が可能となり、結果として経理担当者のテレワーク推進、負担軽減につながります。
また、求職者にとってはテレワークを推進している企業であることが、企業選びのポイントになっているという調査もあります。このことから、帳票の電子化を行ってテレワークを推進することにより、より有能な人材を採用できるようになる可能性もあるでしょう。
参考:パーソルキャリア株式会社「第3回 自社のリモートワーク・テレワークに関する調査」
電子化すれば、手書き作業がなくなるため、帳票の作成スピードが向上します。また、テンプレートを活用して作成するケースが多いため、内容やレイアウトといったフォーマットの変更にも対応しやすくなります。これにより、取引先の要望や法改正に伴う項目変更などにも迅速に対応することが可能です。
紙の帳票書類は、紛失や盗難のリスクがありますが、電子データ化して、アクセス権限を設定すれば、それらのリスクを回避することが可能となります。また電子データであればバックアップをとることができるため、データ損失のリスクも大幅に軽減できます。また、デジタル署名など、暗号化技術を利用すれば不正改ざんの防止にもなるため、紙での管理よりもセキュリティ面で安心です。
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次に、帳票を電子化する際のデメリットを見ていきましょう。
システムやツールを導入する場合は、IT環境の整備やシステム、ツール導入のための初期コストやランニングコスト発生します。ただ、システムやツールの導入によって人件費、紙代、印紙代、保管費用といったコストの削減をすることができるため、トータルで見るとコストメリットがある(コストの削減効果が導入費用を上回る)ことが多いです。
システムやツールを導入すると、これまで紙書類を前提としていた業務フローを見直す必要が生じます。ただ、業務フローの再構築は属人化している業務を見直すよい機会にもなるため、結果としてより効率的な業務フローに変えていくことも可能でしょう。
これまで紙で送付していた請求書や領収書を電子発行する場合は、取引先の理解を得て対応してもらう必要があります。取引先によっては、紙でないと受け取ってもらえないケースもあるでしょう。そういった取引先がいる場合は、取引先によって電子発行と郵送(紙発行)を選択できるシステムを利用することをおすすめします。
ここまで記事をお読みいただいた方の中には、帳票を電子化するメリット・デメリットはわかったが、実際にどのように電子化したら良いのか疑問に思う方もいるでしょう。電子化する方法は主に「Excelなどで作成した帳票をPDF化する方法」と「帳票ツール(システム)を利用する方法」の2つがありますが、電子帳簿保存法に対応しながら電子化を進めるなら「帳票ツール(システム)を利用する方法」がおすすめです。
とはいえ、帳票ツールにはさまざまな種類があるため、違いがわからず、どのように選べばよいかわからないという方もいるでしょう。そこで、帳票ツールを選ぶ際のポイントとして次の3点を解説します。
ツール(システム)側が電子帳簿保存法に対応していれば、経理担当者が細かく電子帳簿保存法の適用要件をチェックする必要がありません。選択するツールが「JIIMA認証」を受けたものであれば、なお安心して利用することができます。「JIIMA認証」とは、市販されているソフトウェアやソフトウェアサービスが電子帳簿保存法の要件を満たしているかをチェックし、法的要件を満たしていると判断したものをJIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)が認証する制度です。JIIMA認証を受けているツールは国税庁のホームページから確認することができます。
出典:国税庁「JIIMA認証情報リスト」
たとえば、既存の運用フローで販売管理システムと連携している場合、その既存システムとの連携が可能かどうか、あるいはデータをアップロードする際のファイル形式(PDF/CSV)に規定があるのかどうかなどを事前に確認しましょう。また、システムによっては帳票フォーマットを自由に調整できないものもあります。現在使用している帳票のフォーマットが、システム導入後も再現できるかについても確認しましょう。必要に応じて自社のシステム部門に協力を仰ぐことで、スムーズに運用できるようになります。
発行側はもちろん、取引先となる発行先が使いやすいかどうかは、スムーズに電子化を進めていく上で重要です。また、システムによっては便利な機能を多数搭載していますが、機能が多すぎるとかえって操作やフローが複雑になり、使いにくくなるということもあります。ツールを導入してから使いにくいことに気づいても遅いので、事前に自社の運用に必要な機能を検討した上で、実際の搭載機能と使用感を確認できるデモンストレーションやトライアルの機会を提供しているツールを選ぶとよいでしょう。
帳票作成ツールを導入するメリットやデメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事「帳票の作成方法は?帳票作成ツール導入のメリット・デメリットも解説」
帳票を電子化するなら、請求書や領収書、見積書などのあらゆる帳票を電子発行できるクラウド型のシステムである「楽楽明細」がおすすめです。「楽楽明細」は簡単操作で帳票を電子発行でき、発送まで自動化できるため「印刷・封入・発送」の手間を削減できます。さらに、手作業が減るので入力間違い、送付間違いといった人的ミスも減らすことができます。また、もともと郵送費がかかっている業務であれば、コストメリットが出やすいシステムです。
また、電子帳簿保存法にも対応しており、JIIMA認証も取得済みです。資料請求の他に、無料デモやトライアルもあるため、実際の画面で使いやすさを試し、既存の運用フローに乗せやすいかを事前に確認することができます。まずはお気軽にお問い合わせください。
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GMOソリューションパートナー株式会社様の「楽楽明細」導入事例はこちら>>>
これら以外にも業種、帳票の種類、発行件数に応じた多くの導入事例があり、以下のページでご紹介していますので、是非ご覧ください。
帳票を電子化することで、業務効率化、コスト削減を実現でき、テレワークを推進することも可能となります。帳票を電子化する際は、JIIMA認証を取得した帳票ツールの導入がおすすめです。JIIMA認証を取得した帳票ツールの中から、無料デモやトライアルの機会が設けられているツールを選ぶとよいでしょう。実際の使いやすさ、そして既存の運用フローに乗せやすいかを事前に確認できれば、スムーズにツールを導入できます。
「楽楽明細」のコラムでは請求書や領収書、支払明細書などの各種帳票の発行方法や、経理業務を効率化する方法などについてご紹介します!
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