領収書とは?役割やレシートとの違いは?発行・保管時の注意点など詳しく解説

監修者:臼井 雄志(税理士)

領収書

領収書は、お金の受け取りを証明する重要な書類です。特に経理担当者にとっては、税務処理や内部管理に欠かせない書類となっています。
また、領収書はレシートと混同されがちです。そのため、中には「実は領収書とレシートの違いがわからない」という方もいるのではないでしょうか。
この記事では、領収書の基本的な役割、レシートとの違い、発行や保管時の注意点などをわかりやすくご説明します。領収書の基礎知識を押さえ、ぜひ日々の領収書関連業務にお役立てください。

領収書とは

領収書とは金銭の受領を証明する「証憑書類」です。(「証憑書類」とは取引が完了したことを証明する根拠書類のことです。)代表的な「証憑書類」としては、領収書や請求書、納品書があげられます。
それでは、まず一般的な領収書の役割からご紹介しましょう。

領収書の役割

領収書の主な役割は3点です。それぞれ詳しく解説します。

①商品やサービスに対して金銭を支払ったことを証明する
領収書は取引が成立したことを証明し、商品やサービスへの対価として金銭の支払いが行われたことを確認するために用いられます。

②支払いが済んでいる取引の再請求(二重請求)や過払いを防ぐ
前述の通り、領収書は支払いが行われたことの証明書になるため、既に支払いが済んでいる取引の再請求や過払いを防ぐことができます。

③内部不正を防ぐ
領収書は経理上の記録を正確に維持するためにも重要です。これにより、内部での金銭的な不正行為を防ぐことができます。

領収書が活用される場面

領収書は以下のような場面で活用されています。

①会社経費の計上
領収書は経費を正確に計上するために使用されます。経費精算の際に支出内容と金額を証明し、会計処理に必要なデータを提供します。

②確定申告
領収書は税務申告の際に重要な役割を果たします。所得税の計算や控除の申告などに利用され、支出の証明となります。

③年末調整
領収書は年末調整の際に必要となります。控除対象の経費を証明し、正確な調整を可能にします。

④各控除申請時
医療費控除や特定支出控除等、特定の控除を申請する際に、該当する支出を証明するために領収書が使用されます。これにより控除の正確な適用が可能となります。

領収書の発行・保管の義務は?

領収書について、発行義務や保管義務はあるのでしょうか。以下でそれぞれ詳しく解説します。

領収書に発行の義務はある?

領収書の発行は法律で義務付けられているわけではありません。そのため、販売側と購入側の双方が「領収書は不要」と合意すれば、領収書を発行する必要はないのです。
ただし、購入側から領収書を発行してほしいと要望があった場合には、販売側に領収書を発行する義務が生じます。また、銀行振込で購入側が代金を支払った場合には銀行振込明細が領収書の代わりとなりますが、それでも購入側から領収書発行を要求された場合、販売側に領収書の発行義務が発生します。

領収書に保管の義務はある?

法律上、領収書には保管義務が課されています。保管期間は以下の通り、法人と個人とで異なるので注意しましょう。

<法人の場合>
領収書は財務諸表に関連する書類として、会社法に基づき、少なくとも7年間保管する必要があります。これは、税務調査の対象期間と一致しており、必要な情報が税務署に提出できるようにするためです。

<個人事業主の場合>
領収書は確定申告に使用されるため、5年間保管する必要があります。これは、国税庁が個人事業主に対して行う税務調査の対象期間であるためです。5年間保管されていれば、税務調査において必要な情報を提供することができます。

領収書の保管義務に関する詳細や、法律的に有効な管理方法については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:領収書の管理・保管方法は?法律的に有効な管理方法や電子化によるメリットを徹底解説

レシートと領収書の違いとは?

領収書とレシートは、どちらも金銭の受け取りを証明する書類ですが、いくつかの違いがあります。
今回は「内容」「耐久性」「宛名の記載」の面での違いをご紹介します。

<内容>
レシートには金額に対する内訳が詳細に記載されているのに対し、領収書では「代表的な商品名+他」のように一括りに記載されます。そのため、税務上は、詳細の記載があるレシートの方が信頼性は高いとされています。

<耐久性>
レシートは感熱紙を使用しているため、光や水、熱に弱く、印字が消えやすいです。これに対して、領収書は印字が消えにくく、長期保存に適しています。

<宛名の記載>
レシートには宛名が記載されていないため、誰が支払ったかが不明瞭です。一方で、領収書には宛名が記載されており、明確に誰が支払ったかが分かります。

これらの理由から、宛名の記載があり、印字が消えにくい領収書がビジネスの場などでよく使用されています。

コンビニやスーパーで発行されるレシートについても、以下の項目が記載されていれば、領収書と同様、金銭の受取を証明する「証憑書類」として認められます。

▼レシートが証憑書類として認められるために必要な項目
・発行者名
・発行日
・取引内容
・金額

領収書の書き方

領収書に記載が必要な項目は以下6点です。記載漏れのないよう気を付けましょう。

① 日付(取引年月日)
② 宛名
③ 金額
④ 但し書き
⑤ 内訳
⑥ 発行者情報

また、領収書は印紙税法により、「金銭または有価証券の受取書」にあたることから、領収書に記載された金額が5万円以上のものは、収入印紙の貼付が必要となります。領収書の詳しい書き方や収入印紙については、下記記事で詳しく解説しています。
関連記事:領収書の正しい書き方は?宛名や収入印紙の金額、消費税の取扱など詳しく解説

また、2023年10月のインボイス制度の開始後は、領収書の書き方も大きく変わります。インボイス制度による領収書への影響や、インボイス制度に対応した領収書の書き方は、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
関連記事:インボイス制度で領収書の扱いはどう変わる?インボイスと簡易インボイスの違い・正しい書き方を詳しく解説

領収書を発行する際の注意点

領収書を発行する際には以下2点に注意しましょう。

①二重発行に気をつける
②領収書の控えを保管しておく

以下で詳しく解説します。

①二重発行に気を付ける

領収書の二重発行とは、1つの取引に対して複数枚の領収書を発行してしまうことです。領収書の二重発行は、ビジネスにおいて重大なリスクをもたらします。

まず、二重発行された領収書が経理処理に使われると、会計上の誤りが生じ、財務報告の信頼性が損なわれる恐れがあります。
さらに、税務上の問題も起こります。二重発行の領収書が税務申告に使用されると、税金の計算に誤りが生じ、税務調査時に不正が発覚する可能性があります。これにより、追徴税や罰金が科されることが考えられ、企業の財務に大きな負担をかけることになるでしょう。

②領収書の控えを保管しておく

領収書は原本だけでなく、原本控えも保存が義務付けられています。この場合の保存期間は、原本の保存期間と同様です。

領収書を電子発行すれば手間削減・コスト削減につながる

昨今、世の中のペーパーレス化の動きや電子帳簿保存法改正の流れを受け、領収書を電子データで発行する企業が増えています。ここでは、領収書を電子発行するメリットを2点ご紹介します。

メリット①領収書の発行や管理の手間を削減できる

領収書を電子データで発行することで、手書きの手間や印刷・封入・発送といった発行業務の手間を削減できます。また、電子データで管理すると一元管理がしやすくなり、必要な時に検索機能を使って見つけやすくなるというメリットもあります。

メリット②紙代や収入印紙代などのコストを削減できる

領収書を電子発行すれば、手書きする際の用紙代や、印刷する場合の紙代がかかりません。また、電子データによる取引では収入印紙の貼り付けも不要なため、印紙税の節約になりコスト削減にもつながります。

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まとめ

領収書は金銭の受領を証明する証憑書類であり、税務処理や内部不正の防止に活用されるなど、経理業務において重要な役割を果たします。また、発行する際は必要項目を正しく記入すること、二重発行に注意すること、原本控えを保管することが大切です。領収書は電子データで発行することで発行・保管の手間やコストを削減することができるため、この機会に一度領収書の電子発行やシステムの導入をご検討されてみてはいかがでしょうか。

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監修者税理士
臼井 雄志

税理士、臨床工学技士、行政書士。大学は臨床工学科へ進学し、臨床工学技士免許を取得。クリニックで透析治療に従事した後、税理士法人に勤務しながら税理士試験を受験し、税理士資格を取得。

現在は医科、歯科、介護、薬局の税務を中心とした税理士事務所を経営。

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